【掲載】化学工業日報(2) ”米沢で医薬品原薬増産”

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2015年4月20日掲載「化学工業日報」

 

反応設備導入 3億円投資、1.5倍に

 

浜理薬品工業は、医薬原薬の供給力を高める。ジェネリック医薬品(後発薬)の需要増などに対応し、米沢工場の原薬製造棟に3億円を投じて最新の反応設備を導入し、生産能力を1.5倍に高める。また、来季は旧倉庫跡に4億円を投じて原薬の粉砕、乾燥工程の設備を設置する。昨年には子会社の米沢浜理薬品工業(山形県米沢市)の工場内に4億円を投じて自動倉庫を建設し、ユーザーへの対応力を高めており、一連の増強策を弾みに2018年に売上高100億円を目指す。

 

来季、粉砕・乾燥設備を設置

 

米沢浜理薬品工業の製造棟は、医薬中間体の米沢第1工場、医薬原薬および食品添加物などの最終製品の同第2工場、医薬原薬の同第3工場がある。第3工場の反応設備は現在、グラスライニング反応器5機とステンレス鋼材の反応器2機を揃えるが、15年9月期中に最新の大型設備を導入、能力を50%高める。また、昨年に11階建て相当の自動倉庫を新設したためスペースが空いた旧倉庫に、来季にも医薬原薬や中間体向けの乾燥、粉砕、ろ過用設備を導入する予定。

 

同社の14年9月期の連結売上高は84億円。85%を占める医薬原薬は受託製造と自社開発品がそれぞれ半分の比率となっている。製造拠点は柴島工場(大阪市)、子会社のチトセ浜理薬品(北海道千歳市)、米沢浜理薬品工業の3ヶ所に展開している。今期はユーザーの生産調整が影響して微減収となる見通しだが、政府の使用促進策により市場規模が拡大している後発薬向けの引き合いが増えている。今後も需要増が見込めるため、米沢第3工場の増強などにより対応する。

    2015年5月28日